💡 はじめに ― 著者の体験から
ぼくは心内膜炎という病気で心臓の手術を受け、4か月間休職しました。
そのときの一番の不安は「給料が止まること」でした。貯金も少なく、生活費と医療費が重なり「この先どうなるのか」と不安でいっぱい。
入院中は動けず、最初の申請は家族にお願いしました。退院後は自分でやりましたが、会社と病院を何度も往復して書類をそろえるのは本当に大変。
そしてわかったのは、傷病手当金はすぐに振り込まれるものではないということです。
この記事では、ぼくの経験も交えながら、初めての人でもこれ1本で申請できるように丁寧に解説します。
🩺 傷病手当金とは?
傷病手当金とは、会社員や公務員として健康保険に入っている人が、仕事以外の病気やケガで働けなくなったときに支給されるお金です。
- 「給料が出ない期間」をカバー
- 「生活費や医療費の不安」を和らげる役割

支給が始まるタイミング
- 休んだ最初の3日間は対象外(待期期間)
- 4日目から支給されます
📅 もらえる期間 ― 通算1年6か月
2022年から制度が変わり、支給期間は 「支給開始から通算して1年6か月」 となりました。
図解:支給期間のイメージ
休職(3か月) ─ 復職(6か月) ─ 再休職(6か月)
→ 合計で1年6か月まで支給可能
途中で復職しても、同じ病気で再休職すれば残りの期間を使えます。
💰 いくらもらえる?

傷病手当金は「給料の約3分の2」が目安です。
計算式
(過去12か月の標準報酬月額 ÷ 30日) × 2/3
例
- 月収30万円 → 約 6,667円/日
- 月収36万円 → 約 8,000円/日
👉 入社1年未満の場合
- 自分の平均月収
- 健康保険組合の平均額(2025年4月からは32万円)
の低い方を基準にします。
📝 申請の流れ(図解つき)

図解フロー
本人記入 → 会社記入 → 医師記入 → 健康保険組合へ提出 → 審査 → 振込
手順
- 月末が終わったら申請書を用意
- 本人が記入(休んだ期間・病名・仕事内容など)
- 会社に依頼(出勤状況・給料の有無を記載)
- 医師に依頼(働けない期間を証明)
- 健康保険組合に提出(郵送OK)
⏳ 振込の目安は「申請から10営業日以内」。
ただし不備があると大幅に遅れます。
⚠️ よくある失敗

- 日付の不一致
→ 本人「1月1日から休みました」
医師「1月5日から働けません」
→ 1〜4日の扱いが不明で審査が止まる - 仕事内容欄が空欄 → 「どんな仕事か」がないと判断できない
- 不要な書類を添付 → 案内にあるものだけでOK
- 印刷のミス → 両面印刷やホチキス止めは差し戻し
✅ 提出前にコピーを取って自分でも確認すると安心です。
👔 退職後ももらえる?

条件を満たせば退職後も支給されます。
条件
- 会社の健康保険に1年以上加入していたこと
- 退職時点で受給中、または要件を満たしていること(待期3日が終わっているなど)
- 退職日に出勤していないこと
🔀 他の制度との関係
- 給料が出ている日 → 差額支給または不支給
- 障害年金・出産手当金・労災休業補償 → 重複不可、調整あり
- 短時間勤務・在宅勤務 → 「働いた日」として対象外
💡 税金との関係
確定申告で「医療費控除」を受ける場合は、
高額療養費や保険金で補てんされた分を差し引いて計算する必要があります。
👤 体験談からの学び
- 収入ゼロで生活費と医療費に大きな不安を感じた
- 入院中は家族に申請を頼むしかなかった
- 退院後も会社と病院を何度も行き来するのが負担だった
- 支給は「月末が終わってから → 申請 → 審査 → 入金」で想像以上に時間がかかった
- 診断書や会社への依頼は早めに準備しておくことが本当に大事
❓ よくある質問(FAQ)
Q. どれくらいで振り込まれる?
A. 受付から10営業日が目安。不備があればもっと遅れます。
Q. 有給休暇をとったら?
A. 有給は「給料あり」とみなされ、その日は対象外です。
Q. 入社して1年未満だけど?
A. 受給可能。ただし計算は「自分の平均収入」と「健康保険組合の平均(2025年4月以降32万円)」の低い方を使います。
Q. 家族が代理で申請できる?
A. 委任状があれば可能。実際ぼくも入院中は家族にお願いしました。
Q. 退職後も受け取れる?
A. 健康保険に1年以上入っていれば可能。ただし退職日に出勤してはいけません。
✅ まとめ
- 傷病手当金は病気やケガで働けないときの生活を守る制度
- 支給期間は通算1年6か月
- 支給額は「月収 ÷ 30 × 2/3」、2025年4月からは上限32万円
- 申請は「本人・会社・医師」の3者がそろって初めて成立する
- 不備や準備不足は支給を大幅に遅らせる原因に
👉 医療費が高額なら「高額療養費制度」、確定申告では「医療費控除」も活用しよう。

📌 参考文献・一次情報リンク集
厚生労働省(制度改正の一次情報)
制度そのものの公式説明
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)|傷病手当金
- 健康保険組合|病気で仕事を休んだとき
- 労働者健康安全機構 健康保険組合|病気・けがで働けないとき

人生逆転中の著者、そらくまです。
もともとは美容師や営業職をしていましたが、突然の心内膜炎で身体障がい者1級に。
そこから働き方も人生の見方も大きく変わり、今は医療系の大手企業で働いています。
「制度は使える」という視点を軸に、暮らしをもう一度デザインし直すことに挑戦中です。
さらにAIと共に学び・発信することで、
**「誰かの人生を再設計するヒントを届けたい」**と活動しています。
特に、世界初の試みとして──
「障がい者 × 読書レビュー × 資産形成 × AI」
この4つを掛け合わせたブログを立ち上げ、第一人者として情報を発信しています。


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